※レース画像をJRA公式ホームページから引用
2020年10月18日、京都競馬場で秋華賞(芝2000m)が行われました。
JRA公式の秋華賞レース結果
2020年の秋華賞を制したのは、デアリングタクト
競走成績:5戦5勝(2020年10月18日現在)
春の桜花賞、オークスに続き、秋華賞も制して、見事に牝馬3冠達成となりました。
牝馬3冠達成は史上6頭目。
- メジロラモーヌ(1986年)
- スティルインラブ(2003年)
- アパパネ(2010年)
- ジェンティルドンナ(2012年)
- アーモンドアイ(2018年)
- デアリングタクト(2020年)
また、デアリングタクトは史上初、無敗での達成となりました。
リアルタイムでこの快挙を見れて、本当に嬉しいです。
桜花賞は悪すぎる馬場、オークスは直線絶望的な位置からの差し切りと、春のGⅠ2戦も非常に強い勝ち方でしたが、秋華賞も横綱相撲で快勝でした。
デアリングタクトの血統
父:エピファネイア
母:デアリングバード
母の父: キングカメハメハ
血統表は以下の通り。
父はエピファネイア。
父方の祖母がシーザリオです。
デアリングタクトはシーザリオのように、素軽いスピードがありながら、エピファネイアのようにパワーも兼ね揃えているような印象です。
母はデアリングバード。
母方の祖母がデアリングハートです。
シーザリオとデアリングハートは2005年の桜花賞に共に出走していて、シーザリオが2着、デアリングハートが3着だったので、2005年から15年越しに孫のデアリングタクトが両祖母が成し得なかった桜花賞勝利を手にしました。
秋華賞も、デアリングハートは出走していて12着でした。
ここでも祖母デアリングハートの無念をデアリングタクトが晴らしました。
2005年は僕もリアルタイムで見ていたこともあり、シーザリオとデアリングハートの血を引くデアリングタクトが、こうやって大活躍することは、血統のロマンであり、非常に嬉しいです。
あと、デアリングタクトはサンデーサイレンスの4×3のクロスを持っていることが特徴ですね。
瞬発力の源がサンデーサイレンスのクロスだと思います。
血統をよく見ると、エピファネイア×キングカメハメハ×サンデーサイレンス×ダンチヒですから、日本の近代競馬を象徴しているような超良血の血統で、このサンデーサイレンスの4×3のクロスっていうのは、これからの日本を席巻しそうです。
レース映像
デアリングタクトは13番(オレンジ色の帽子)です。
前日は雨で重馬場でしたが、当日は天気も良く、稍重まで回復してレースが行われました。
馬場:稍重
天候:晴れ
レース時計:2:00.6
前半1000m:59.4
ラスト4F:48.5
ラスト3F:36.4
前後半600mのラップバランス:34.9 – 36.4
前後半800mのラップバランス:47.1 – 48.5
前後半1000mのラップバランス:59.4 – 61.2(ハイペース)
デアリングタクトは、パドックではちょっとテンション高めかなと思いましたが、返し馬で馬場に出てからは松山ジョッキーも上手く落ち着かせていて問題なさそうでした。
枠も外枠13番だったので、スタートさえちゃんと出れば、と思っていましたが、スタートもまずまず。
1コーナーで周りに包まれることもなく、絶好の位置が取れたので、これは勝ったかなと思いました。
向こう正面ではちょっとポジションを上げて、3コーナーを過ぎ、下りから差を詰めていきます。
4コーナー直線の入り口では先頭を射程圏内に入れ、完全に勝利体制です。
外からはミスニューヨーク、パラスアテナ、ソフトフルートが差を詰めてきていました。
デアリングタクトは以下、赤矢印で示した、オレンジ色の帽子です。
外から来た馬たちを待ってスパートを掛けます。
以下が最後の直線入り口からのレース映像です。
レースのポイント
デアリングタクトは横綱相撲で他の馬を寄せ付けませんでした。
松山ジョッキーのレース運びも見事でした。
とてもプレッシャーが掛かっていたと思いますが、その中でも冷静沈着で、デアリングタクトをしっかりリラックスさせて走らせていたように感じました。
レースの展開は、ちょっと早いペースだったでしょうか。
秋華賞らしいペースなのかもしれません。
逃げたマルターズディオサ始め、前目にいった馬たちは軒並み下位に沈みました。
ペースを見たポジション取りから、仕掛けていくポイント、追い出しのタイミングなど、全てが完璧に思えました。
デアリングタクトは強すぎて、前で競馬しても差されてしまうし、後ろからでは差せないし、これでは他の馬は為す術もない感じですかね。
2着はマジックキャッスル。
後ろから上がりも早く、力のあるところを見せました。
マジックキャッスルは、ウインマイティーが残り600mくらいで外に出した時、アブレイズが外に弾かれ、マジックキャッスルは不利を受けて少し遅れたかもしれません。
これはちょっともったいなかったですね。
オークスで良い脚を見せていたように、広いコースで今後も期待したいです。
3着はソフトフルート。
出遅れてしまいましたが、最後は外を上がり最速で3着まで来ました。
前走も上がりが早く、圧勝していたので、今後も楽しみな一頭です。
4着はパラスアテナ。
後ろからでしたが、位置取りも良かったですね。
ちょっとごちゃついたところもありましたが、紫苑Sでも同じようなレース運びを見せていたので、惜しかったです。
5着はミスニューヨーク。
今回一番惜しかったのは、この馬かもしれません。
もうちょっと内枠が良かったかなというのと、4コーナーでホウオウピースフルが下がってきて、ちょっとごちゃついてしまいました。
最後は伸びているだけに、ちょっと残念でした。
人気どころでは、マルターズディオサが7着、ウインマイティーが9着、リアアメリアが13着、ウインマリリンが15着でした。
マルターズディオサは前にいった馬が総崩れの中で7着なので、やっぱり力はあります。
田辺ジョッキーもコメントしていましたが、もうちょっとペースを落としたかったですね。
これだけ後ろからこられる流れはきつかったです。
ウインマイティーはスタートが良くなかったです。
京都はいかにも合わなそうなので、中山とか阪神内回りで期待したいですね。
リアアメリアもスタートが良くなく、思った位置を取るのに苦労した印象です。
馬場も乾ききっていない稍重は合わなそうですね。
あと、これだけ締まった流れだと厳しく、スローの瞬発力勝負ならもうちょっとできそうです。
ウインマリリンは、オークスからの直行でしたが、仕上げがうまくいかなかったのかもですね。
やっぱり叩いた方が良さそうです。
2020年は絶好調の松山弘平ジョッキー
そして、2020年は松山ジョッキーの年になりましたね。
これで3冠ジョッキーになった訳ですが、2020年は重賞も勝ちまくっています。
- 京都金杯(GⅢ): サウンドキアラ
- 東海S(GⅡ): エアアルマス
- きさらぎ賞(GⅢ): コルテジア
- 京都牝馬S(GⅢ): サウンドキアラ
- 阪神牝馬S(GⅡ):サウンドキアラ
- 桜花賞(GⅠ):デアリングタクト
- オークス(GⅠ):デアリングタクト
- 秋華賞(GⅠ):デアリングタクト
そして、秋華賞後の12Rでも勝利し、JRA年間100勝も達成しました。
松山ジョッキーは初めての達成です。
以下のように年間勝利数も右肩上がりです。
- 2016年:47勝
- 2017年:61勝
- 2018年:84勝
- 2019年:91勝
デアリングタクトとの出会いの裏には、このように自身の努力で成績を上げてきているというのがあると感じています。
2020年は、まだ2ヶ月ちょっとありますし、まだまだ記録を伸ばしそうなので、松山ジョッキーの今年の成績にも注目です。
次は牡馬・古馬勢との対決へ コントレイルやアーモンドアイとの対決はあるか?
牝馬3冠達成ということで、今後は牡馬や古馬との対決になります。
こうなると見たいのが、コントレイルやアーモンドアイとの対決ですね。
次走はどうなるか分かりませんが、ジャパンカップあたりでしょうか?
ジャパンカップならコントレイルとの対決はあるかも?
アーモンドアイは出るか微妙なところですね。
アーモンドアイは今年で引退の可能性もあるので、ぜひ引退前にデアリングタクトとの対決を見たいところではありますが、どうなるか楽しみですね。
デアリングタクトと松山ジョッキー、そして関係者のみなさん、牝馬3冠達成おめでとうございます。
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